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舞台が変わるとき

舞台が変わるとき

舞台が変わるとき

長年住んだ家
長年勤めた会社を去るとき、長年住んだ家を移るとき、健康だけが自慢だった身体が不調を訴え始めるとき…。人生には誰もにそんな時期が訪れます。
今まで普通だと思っていた景色が変わり、習慣が変わり、今まで普通にできていたことが難しくなったりします。心にぽっかりと穴が開いたような気持ちになったり、ひたすら戸惑ったり、鬱々としてしまうこともあるかもしれません。
これからの自分にとって、体力は衰えるばかりで、時間の流れも方向もネガティブなものになってしまったんだとヘコむ時間が多くなるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか。人生はあるラインを超えると心も体も枯れ、薄暗い時間を終末に向かってトボトボ歩くだけなのでしょうか?いえいえ、そんな風に生きるには、人生は意外と長いのです!
昨年末に厚生労働省が発表した日本人の健康寿命は男性72.7歳、女性75.4歳でした。3年ごとに行われるこの調査ですが、男女とも前回より延びています。しかも、介護を受けたり、寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間である健康寿命と平均寿命の差は調査開始以来ずっと縮まり続けています。「死ぬまで元気」が、めずしくない時代が近づいているのかもしれません。

そしてもう一つ、ヘコんでいる場合でない素晴らしいデータがあります。
スポーツ庁が3年ごとに行っている「新体力テスト」では、65歳から79歳の高齢者を対象としたテスト(握力・上体起こし・長座体前屈・開眼片足立ち・10m障害物歩行・6分間歩行)の合計点が、調査開始の2000年以来ずっと上がり続けています。
加えて、OECDによる「国際成人力調査」によって、日本の高齢者が「数学的思考」「読解力」の分野でOECD各国平均をそれぞれ18点・16点上回っていることがわかりました。
日本の高齢者が知力・体力共に充実して年を重ねていることを証明するものです。
世界を見回せば、アフリカ南部の国レソトでは、男女の健康寿命がそれぞれ42.3歳・46.4歳です。日本に生まれ、40代というその年齢からどれほどの人やものごとに出会い、悩みながら進んだ道を今どれほど愛おしく振り返るかを考えると、ある時代のある場所に生まれた偶然をどんな風に感じるでしょうか。

……そして、その偶然はまだ終わっていないのです。
このブログでは、自分を取り巻く景色が変わる時を新しい世界に向かうチャンス、と考えていきたいと思います。自分の舞台が変わり、変わっていく景色に怯えたりうつむいたりするのではなく、前向きに受け入れて、「舞台が変わるとき」を自分のスタイルでデザインしていったら、どんなに楽しいでしょう。
まずは、今までの人生を振り返って目じるしの標石(マイルストーン)を置くことから始めたいと思います。
標石(マイルストーン)を置くことによって、今が「中間地点」であることがはっきりします。これまでを振り返って達成感や充実感を得られると共に、自分自身の純粋な目標が明確になって、軌道修正やスピードアップ、方向転換さえもできます。
変わったばかりで、まだシンプルなあなたの舞台は、必要な機能を備えたり好みの空間演出をしたりして、どんどん変化していくでしょう。そしてそこで演じられる作品も、変わる景色の中で見つけたものたちが予想もしなかった進化をとげて、あなた自身をワクワクさせてくれるかもしれません
多様な舞台で多様な作品を演じましょう。心から楽しんで、折り返しの人生を生きましょう。
さあ歩き出しましょう、「標石(マイルストーン)」の先へ。

「マイ・ジャーニー」を作成しましょう

最近は多くのメーカーから様々の用途に対応するエンディングノートが販売されています。
医療や介護、葬儀や相続に関する希望を明記したり、銀行口座や保険などの財産についての情報を残したりしておけば、いざという時に家族や周りの人が助かります。
自分の希望も伝えられるので、エンディングノートを書くのはとても大切なことですね。
最期の時まで自分らしく生き、残った人が困ったり争ったりせずに静かに見送ってくれるように、必要な項目をきちんと整備しておけば安心です。
でも、「マイ・ジャーニー」はそうした機能がありません。あなたの「人生という名の旅」の旅日記として、機能の代わりに思いを大事にします。実務的に困らないように、というよりは、残していく人たちの胸にいつまでも灯る優しい明かりとなることを願うものです。
あなたという人がどんなことに心動かし、何にときめき、どんなことを大事に生きてきたのか。死ぬ間際のあなたではなく、活き活きした感情と共に生きたありのままのあなたのスケッチを渡したいと願い、「マイ・ジャーニー」では、あなたの前半生をたどる10の質問を考えました。
そしてこの10の質問から導かれるあなたの姿は、残される人たちだけのものではありません。

これまでの人生を振り返り、前半や中盤に思い描いたものを明らかにして今いる場所に標石(マイルストーン)を置けば、自分の現在地がわかり、成し遂げてきたことがわかります。
忘れていたたくさんの顔や、ある時期を救ってくれた言葉や、大好きだった人の笑顔が、今のあなたに寄り添ってくれるでしょう。これまでの人生の日々に温かく包まれるような気持ちになったら、身体の底から力が湧いてくると思います。
清らかな泉のように。
効能いっぱいの温泉のように。
石油や液化天然ガスのように(笑)。
あなたを動かす源泉が湧き上がってじっとしていられなくなる……そんなことが起こる(かもしれない)「マイ・ジャーニー」を作成しましょう!
もしかしたら、今までとは全く違った目標ができたり、全く違う方向に歩きたくなったりするかもしれません。
時間が足りないよ!と歩き始めたあなたは言うかもしれませんね。でも大丈夫です!
世界でも急激に進んでいる長寿化は、驚くべきことに、過去200年で10年ごとに寿命が2年づつ延びている、というデータが明らかになっています。これは1年が14か月に/1週間が9日に/1日が30時間に延びるのに等しい現象です。
長寿化する社会を憂うなんていうレベルではないですね。
人間はいま、生物としてとても大きな変革期を生きているのかもしれません。
延びた寿命を有意義に生きようという試みは、遠い未来に何かをもたらしてくれるのでしょうか……。
太古の昔にアフリカのどこかでサルたちが立ち上がり、そっと歩いてみたチャレンジのように大変なことが起こるかも!なんて想像すると、うきうきと心躍る思いがしませんか。